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ちまちま書く理由
多数のWEBメディアやテレビ、TwitterやYoutubeまで幅広くアンチEV、特にテスラはクソだという意見を目にすることが多くて自分でも実際にそうなのか?ってのを毎回疑問に思う。2021年6月からテスラモデル3ロングレンジに乗り始めていろいろと感じるのですが、すごいよく考えられて作られた車だと身に染みて感じるし、毎日ワクワクします。
最近感じるのは何百年に一回あるような大きなビジネス構造の変化が自動車業界に来ているように感じます。携帯からOS搭載のスマホにビジネス構造が変化した歴史も交えながら少しまとめていきたいと思う。
日本人が抱えてる昔からの弱み
本当は日本人って結構新しいもの好きだと思う。食事にしてもテクノロジーにしても本当は興味を持っているし好奇心もある。ただ人によって感情的思考がそれらを制限しているように感じる。私個人も含めてその感情の制御によって急な変化に対応するのが下手くそである。合理的な判断が鈍るというか。。。
もう一つの弱みは何か新しいビジネスモデルを0から作る事が苦手。日本の憲法も輸入して改良したもの、自動車も昔輸入したものを改良している。ビジネスがうまいんじゃなくて改良するのが上手いと言われてきた。でも、この変化が激しい中では、輸入⇨改良のスピードも上げていかないといけないと感じる。
変化への対応スピード ガラケー vs スマホ
初代iPhoneがアメリカで登場したのは2007年 Mac World Expoで発表され、6月29日にアメリカで発売が開始され日本でも一気にニュースになったのを覚えている。当時は早く日本に来ないのかなど調べたりして、通信規格が合わず日本で使えないことを知ると悲しかった記憶しかない。
その後、2008年に iPhone 3G が世界中で発売され、日本もソフトバンクが2008年7月11日に発売した。この時のことを皆さん覚えているだろうか? なんでドコモから出さないの? auは? SIMを変えたら使えるの?など。。。 私は当時ドコモだったので、海外からiPhoneを仕入れてAPN設定などWEBで検索しながらパケ死しないようにドキドキしながら設定したのを懐かしく思えます)笑
背景には、ソフトバンクの孫さんがiPhone発売になるもっと前からスティーブ・ジョブスとの交渉にて既に独占権販売権を勝ち取っていたのが理由。(1) 孫さんは2005年あたりにスティーブジョブスに会っているのだがその内容は、OS搭載のスマホを作ってくれって自分で描いたスケッチを持参して行った事。 でもスティーブジョブスは、大丈夫もう作っているよと返事する。孫さんが速攻独占販売権を口約束で交わすが、この時まだ携帯キャリアを持っていなくて正式な契約はできなかった。しかしその後、携帯会社を買収するに至る。(2)
この時起きていたのは、これまで権力を握っていたキャリア側の立場でのビジネスモデルから、OS>ハード>キャリアへと変革する構造の変化が起きている。日本のキャリアはソフトバンクを除いてこの変化に対応できなかった。Androidのスマホが出てきた頃もキャリア側の権力を発揮し、まともに動作もしない無駄なキャリア専用のアプリやアプリだけどブラウザーで飛ばすお粗末なアプリ?アイコンを最初からインストールさせておくなど、マネタイズやサービス提供に奮闘していたのは記憶に新しい。その後、スマホのシェアを韓国、中国に奪われる事になる。
無理もない、これまでキャリア側の都合でPanasonic、NEC、SONYなどに携帯端末のソフト面(結局使えないものばかりだったが、、、)を依頼するという構造からの変化だから大変だったのは想像できる。 これ以外の例として家電、DVD、半導体などあるが今回は省略する。
テスラにあって日本メーカーにないもの
充電インフラ構築と仕組み
2019年あたりからEVの話もちらほら出てきて、2021年後半あたりには結構耳にするようになったEVの充電インフラの話。日産に関しては各ディーラーに急速充電を設置してリーフ購入者へのインフラを十分提供してきていると言える。テスラも実は結構多くのインフラ構築を手がけている。(3)
ただ、ここで単に充電器がという所で話が終わっていることが多い。大事なのは2つ、充電スピードと充電方法です。
充電スピード
テスラにはスーパーチャージャー、ディスティネーションチャージャー、ウオールコネクターがメインで全国に設置されている。(そのほかに、CHAdeMOアダプター、普通充電アダプターも使えるがここでは省略する) これらの充電スピードが合理的なのをまず理解したほうがいい。
テスラスーパーチャージャーは最初はV2タイプで最高 135kw辺りの急速充電だったが、最新のものはV3タイプの250kwのスピードが出るタイプ。 日本には135kwの充電できる国産車向けの充電器など無く、唯一日産がこれから発売されるアリアに向けて90kw級の充電器へのリニューアルをしている状況である。より短時間で充電が終わるのは今後のEV普及に向けて大事なポイントとなる。
充電方法
これについては大きな違いがある。まず、CHAdeMOに関してはICチップ入りのカードが必要で、そのカードを事前に取得し自身のクレジットカードと連動させておかないといけない。そしてほとんどの充電器は30分タイマーがあり、30分で充電が終わる。さらに充電の開始ボタンを押させたり、停止を押させたりと手間が多い。
一方テスラに関しては、スーパーチャージャーでの充電において駐車した後にケーブルを挿すだけである。何も認証する事なく、そのまま使える上いつでも充電を中止でき時間に応じた課金をされる仕組み。使った分は自分のアカウントに登録してあるクレジットカードに請求がまわるというシンプルな作り。
今後さらに加速すると思われるテスラスーパーチャージャー。ユーザーの目線に立って簡単で素早く充電を済ませるという合理的な仕組みを日本の企業が超えられるのだろうか。
ハードばかりでは限界が来る。ソフトで儲ける仕組みに
メディア騒いでいるでアンチEVの大半がハード面への懸念がほとんど。氷点下の中でのパフォーマンスが落ちるとか、バッテリーが燃えるとか。正直これら二つの問題についてはアメリカ人のyoutube(5)(6)などを見れば問題ではないことが分かるし、大した不安材料ではない。バッテリーの劣化に関しても質が上がったり生き返るのは時間が解決する。(8)
それよりもOSの搭載、OTAの実施、ソフトウエアによるサービスの提供が一番稼げる所で中長期的にもデーターやノウハウが積み重なれば質も上がるし価値も上がる。パソコンやスマホもこれと同じようにハードよりもソフトで稼いでいる事を理解しておいた方がいい。
ここでただ単にテスラ様と言っているのではなく、直近ではソニーがEVに参入するニュース(4)がでていたが、向かっている先はやはりソフトの領域である。また、世界一の販売台数を誇るトヨタも2025年を目安にトヨタ車のOS開発やOTA提供に動いてはいる。(7)
日系企業も変化している
日系企業の群れる感じが嫌いな人はおそらくテスラみたいな合理的に価値を提供していく会社が好きだと思うけど、最近の日系企業にも明るいニュースは多々ある。個人的にこの二人の参画は面白いと思う。一人は、トヨタのギルプラットさん、もう一人はパナソニックの松岡陽子さん。
ギルプラットさんは、トヨタ自動車のTRI( Toyota Resarch Institute) で自動運転技術を開発するチームを率いるボス。MIT卒のAIとロボティクスをバックグラウンドに持つエンジニア。今はアメリカ、カリフォルニア州にあるトヨタのTRI研究所に居て、トヨタイムズの動画(9)からも彼の熱意はすごいことが分かる。
松岡陽子さんも、MIT卒のコンピューターサイエンスとロボティクスが専門の技術者で経営者。Google X の共同設立者で、Google NestのCTO。アップルのテクノロジーリーダーでもあった人。(10)今はベンチャーの経営をしながら、Panasonicのフェローとしておそらくプロダクトのアドバイスなどをしている。
昔までの日本は、自社のなかで人材を育ててリーダーへという流れが強かったけど最近徐々にグローバルのトップクラス人材を招聘する動きがあって今後のワクワクが止まらない。
まとめ
最近のメディアにはEVの良い面、悪い面の両方を不安を煽る形で掲載されていることも多いが、これを機会に日本語&英語関係なく色々な視点で自分の意見を整理する必要があると感じる。
現状(2022年)において日本企業はハード面もソフト面もEV市場においては出遅れている部分はあるが、これからの巻き返しに期待したい。
記事のリンク
- 「孫正義はいかにしてジョブズを口説いたか」東洋経済(1)
- ログミー 孫正義のBloombergインタビュー記事 (2)
- テスラ充電網 (3)
- 「ソニー・カー、狙いは「EV」にあらず ソフト改革焦点に」日経(4)
- “starting” a Tesla in -34C cold Canadian Winter (5)
- 【ガソリン車はEVより危険なの知ってる?】”電気自動車は燃えるので危険である”は正しいのか徹底考察 (6)
- トヨタ、25年メドに車の基盤ソフト IT大手対抗へ外販も (7)
- DOE, Stanford researchers bring ‘dead’ lithium batteries back to life (8)
- 香川編集長 AI界のカリスマ、トヨタの自動運転を語る (9)
- 松岡陽子 wiki (10)
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